ある日イシガキダイを釣りました!
イシガキダイはあまり見慣れない魚なので知らない方も多いかもしれませんが、歴としたタイの仲間です。正しくはイシダイの仲間となるのですが、細かいことはここでは気にしないでおきます(笑)
このイシガキダイは食べて美味しい魚ですが、シガテラ毒という毒素をもっていることがあります。
今回はこのシガテラ毒について書いていきたいと思います!
魚釣りをする場合はこのシガテラ毒についても知っておいた方がいいでしょう!
今回の記事はシガテラ毒について書いていきますが、シガテラ毒以外の毒を持った魚もたくさんいるので良く知らない魚を食べるとき、触るときなどは注意が必要です。
魚の毒について知識をつけておきたいのであれば以下の本が詳しく、かなり興味がそそられる内容になっているのでオススメです!
シガテラ毒とは
シガテラ毒はその名の通り人間にも害があるレベルの毒になります。
有名どころではブリ、ヒラマサ、イシガキダイ、ウツボなどの400種以上にのぼる魚が保有している可能性があると言われています。
え!?そんなにいるの!?と思われるかもしれませんが、シガテラ毒は食物連鎖の関係で発生してしまう毒なので仕方のないことです。
シガテラ毒で中毒になった場合の症状としては以下のようなものが挙げられます。
- 吐き気
- 腹痛
- 頭痛
- 下痢
- 筋肉痛
- ドライアイスセンセーション
ドライアイスセンセーションとは温度感覚に異常をきたす症状で、水に触れただけでドライアイスに触れたかのような刺激を感じるようになってしまったり、暖かい物に触れても冷たく感じてしまう症状のことです。
このような症状が複数現れるのがシガテラ毒の特徴です。
シガテラ毒の致死性は低いとされていますが、長い間後遺症に悩まされる可能性がある恐ろしい毒になります。
シガテラ毒の原因
シガテラ毒は元々魚がもっている毒ではなく、渦鞭毛藻(うずべんもうそう)というプランクトンがもっている毒素が原因となります。
ではプランクトンの毒性がなぜブリやイシガキダイに影響を及ぼすのかというと、生物濃縮によってプランクトンの毒性が魚に蓄積されてしまうことが起こってしまうからです。
生物濃縮とはいったい何か?というと、食物連鎖の中で毒素が体に蓄積されていくことを指します。
シガテラ毒の発生経路としては
毒性をもったプランクトンが海草につく
↓
小魚がそれを食べる
↓
中ぐらいの魚がその小魚を食べる
↓
ヒラマサ、ブリ、イシガキダイなどが中ぐらいの魚を食べる
大きな魚が沢山の魚を食べることにより、プランクトンの毒素が結果的に体内に蓄積され、人間に害を及ぼす程の濃度になってしまったものをシガテラ毒と呼ぶということです。
このようにシガテラ毒は発生するので個体によってシガテラ毒を持っていたり持たなかったりしますし、大きな魚のほうがより多くの魚を食べているので、蓄積される可能性も高くなるということが起こります。
シガテラ毒を持つ危険性のある魚
上記にも書いた通り、ブリ、ヒラマサ、イシガキダイ、ウツボなどの400種以上の魚がシガテラ毒をもつ可能性があります。
その中でも大型であればあるほど毒をもつ可能性が高いとされ、重さが2kg~2.7kgを超えてくる個体に関してはこの毒を保有している可能性が高くなるとも言われています。(魚種によって危険だとされている重さは変わりますが、大体2kg~2.7kgを超えた場合は少し注意したほうがいいかもしれません。)
もちろんこの数値以下でもシガテラ毒を持っている可能性はあるのですが、小さい個体ほどシガテラ毒を持っている確率は減ると考えてよさそうです。
こんなことから、釣ったら重さを見て行けそうだったら食べる。という自己責任ルートはどう頑張っても免れられないようです。。。
解毒方法
シガテラ毒で中毒になった場合は先ほど挙げた、吐き気、腹痛、頭痛、下痢、筋肉痛に加え、ドライアイスセンセーションなどの症状が出てきます。
このシガテラ毒の中毒に対しては、今のところ確立された特効薬などはありません。
取り入れた毒素が付着している胃の洗浄や活性炭による毒物の除去といった対症療法が主な治療法になります。
早期であれば投薬が有効というデータもあるそうですがお医者さんでないと判断できないので、おかしいと感じたらすぐに病院へ行きましょう。
シガテラ中毒は基本的に即効性のある治療法や解毒法がないと言われ、自然に治るのを待つしかないというのが主な現状のようです。
完治は早ければ数日から数週間、重い場合だと数年かかることもあるそうです。
直接的な治療法はまだ見つかっていないとはいえ、少しでもおかしいと感じたらすぐに病院に行くことをおすすめします。
シガテラ毒の見分け方、無毒化
本題に入りますが、結果から言うと残念ながらシガテラ毒を保有している魚は外見で見分けることはできません。
そしてこの毒素は加熱でも冷却でも分解することはできないので、焼いたり煮たり、冷凍したりして無毒化することもできません。
シガテラ毒の予防方法はシガテラ毒を持っている魚を食べない!ということしかないのが現状ですが、残念ながら見分ける術も無毒化する術もなく、お手上げ状態ということになります。
一応の目安として大きい魚は危険度が高く、重さが2kg~2.7kgを超えてくる個体に関してはシガテラ毒を保有している可能性が高くなるということは覚えておきましょう。
ちなみに、毒素をもったプランクトンは温暖な海に住んでいるので暖かい地域で採れた魚ほどシガテラ毒にあたった報告が多いです。
日本だと沖縄がもっとも多くなっていますが、神奈川、千葉、三重などでも中毒の報告がありますのでどの地域でも注意は必要だと思われます。
まとめ
シガテラ毒は重さ2kg~2.7kgをひとつのボーダーラインとして自己責任で判断するしかない、ということになります。
治療法も現在見つかっていないので、自分の身は自分で守りましょう!
正直個人的には気にしすぎたら何も食べられなくなるじゃん!とも思いますが、、、
もし2㎏を超える魚が手に入った場合は一気に大量に食べるといったことはしない方がいいかもしれません。
もちろん大量に食べなかったからあたらない!とは言えません。。。
体調の個人差や毒の濃度の差もあるので、結局どこまでいっても自己責任としか言えません。
ちなみに今回のイシガキダイは300g程度だったので何の心配もなく美味しく頂きました!
うまし!!
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